『決算書理解講座3 利益の行方は?』
こんにちは。
クレドの森内です。
今回のテーマは
『決算書理解講座3 利益の行方は?』について
これまでの流れを簡単に振り返ると、まず、決算書は
1.貸借対照表、
2.損益計算書、
3、株主資本等変動計算書
から構成されていること。
そして、決算書理解講座2では『損益と貸借の関係』について述べ、
損益と貸借はその期に稼いだ利益に接点があることを説明しました。
今回は3つ目の『株主資本等変動計算書』について説明していきます。
これまで説明してきたケースの会社は、初年度の1年間に
300万円の利益を稼ぎ出しました。
株主が10名で100万円ずつ出し合って設立したこの会社は
その利益をどう配分したらよいのか?
方針を決めなければなりません。
この方針を決める株主同士の集まりが、いわゆる定時株主総会です。
しかし、定時株主総会の前に株主の中から選ばれていた3人の取締役が
集まってこの利益をどう配分するか・・タタキ台を作らなければなりません。
①せっかく300万円儲けたのだから株主一人一人に全て分配してしまおう。
②いや、会社は今後も運営され続けていかなければならないのだから、
将来の為に全額残しておこう。
③我々3人の役員は、今年1年、他の株主とは異なり会社の運営に寄与
してきたのだから我々にもそれなりの分け前を与えてもらおうじゃないか。
上記3つのタタキ台を作り、3人の取締役は議論した結果、
以下の方針を決めました。
当期利益300万円を次のように処分します。
→株主配当無し、役員賞与 100万円、繰越利益200万円
総会当日、利益処分の内容を株主へ提案したところ、株主からいろんな意見が
出されましたが、結局、この利益処分のままでいいではないか、
という事に落ち着きました。
定時株主総会議事録への記載例ですが、
◆株主へ配当する場合は
議案:剰余金の配当案承認の件
1株につき×円と決定
◆役員賞与を支給する場合は
議案:役員賞与支給案承認の件
○名に対して総額△△円と決定
株主総会では上記決議事項についての個別承認が必要になることも
覚えておいてください。
次回以降の決算書理解講座では『バランスシートの仕組み』について
お伝えしていきたいと思います。
お楽しみに!
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