『電力全面自由化の課題』
今回のテーマは
『電力全面自由化の課題』について
2016年4月からの電力小売りの全面自由化に続き、2020年
4月から大手電力会社に送配電部門を義務付ける「発送電分離」を
目指すなど、電力全面自由化へ向けた動きが加速している。
しかし乍ら、電力小売り分野へ新規参入する企業にとっての課題も
色々あるようです。
その一例に、電力の安定調達方法として期待していた卸電力取引所の
売買高がなかなか増えないとったことがある。
既に自由化されている大口需要家を低料金で取り込もうとしたが、
安定調達に目途が立たず、チャンスを逃してしまうケースが多いという。
一方、新電力が発電所を新設するとなると、設備投資のコストを上乗せ
せねばならず、コスト回収が済んだ古い発電所を動かす電力会社に
比べ割高な電気を売る形となってしまうことにも繋がりかねない。
そうなると、卸売市場を如何に活性化させられるか、といった点が
今後の焦点にもなる。
送電網については、従来、電力会社が担っていた地域間の送電線の
運営を「広域的運営推進機関」に参加する600社超の企業が責任を
負う形となる予定であるが、送電線が足りない地方などへ送電網を
つくるための設備費用をどのように分担していくか、といった課題を
抱える。
また、電力小売り事業者が送電網を使う際、「託送料」を送配電会社へ
支払うこととなるのですが、送電網にかかる設備負担の重さ次第で
託送料も上下する形となることが想像され、電気料金を下げるための
自由化となるのかどうか、また、インフラ整備の進んでいない地方の
送電網が放置されるようなこととならないか、といった点も注意して
見ておく必要がある。
イギリスでは1999年の自由化後、電気料金が6%近く下がり、
6割の需要家が新電力に契約を切り替えた、といった事例もあり、
自由化がもたらすメリットを消費者・事業者が享受できるよう
仕組みづくりも一層の深堀りが必要となりそうですね!
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