『決算書理解講座17 損益計算書を読んでみる①』
今回のテーマは
『決算書理解講座17 損益計算書を読んでみる①』について
決算書理解講座16では『損益計算書の構造』について説明しました。
今回からは損益計算書を読むポイントについて説明していきたいと
思います。
【売上高について】
会社の最大目的の一つに、商品や製品の売上を如何に伸ばすか
があります。
売上高は、損益計算書の一番上に登場しますね。
そこで、売上高はいつ計上するのかについてまずは見てみましょう。
売上高をいつ計上したらよいのか。
実は会計上、なかなか難しいテーマとなっています。
例えば、引合いの時点、仮発注の時点、発注の時点、出荷の時点、
納品の時点、検収の時点、請求の時点、入金の時点・・・など
販売活動のサイクルは、このように一つずつの積み上げでできています。
そこで、会計上認められている売上高の計上時点は、「出荷の時点と
納品の時点」のいずれかとしています。
損益計算書に計上されている売上高は、このように出荷あるいは納品の
時点で計上されており、「期末現在既に入金済のもの」と「期末現在既に
売掛金のもの」が混合されたもの、ということがわかります。
■長期の請負工事の売上計上時点
建設会社や造船会社のような業種の場合、一般の商社やメーカーと異なり、
売上高の計上時点という問題については、特別な見方が必要となります。
<工事完成基準>
メーカーなどと同じく、出荷とか納品の時点を売上計上の時点として選択
する方法。
<工事進行基準>
長期工事に着手した年度には、売上高には計上されず、完成し相手方に
引き渡した年度にドーンと売上を計上する方法。
長期の請負工事を業とするこれらの会社については、いずれの方法を
選択しているのか、一般の会社とは別の角度で売上高を見る必要があります。
次回は、「損益計算書を読んでみる②」の説明を行いたいと
思います。お楽しみに!
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