『決算書理解講座24 資金繰り②』
今回のテーマは
『決算書理解講座24 資金繰り②』について
決算書理解講座23では『資金繰り①』として
「利益と資金の関係」について説明しました。
今回は『資金繰り②』として、「売掛金、買掛金と資金繰り」
について説明して行きたいと思います。
決算書理解講座23で説明した資金と決算書の繋がりを
まとめてみると、
①利益は会社の資金を増やす要因
②しかし、必ずしも利益=資金増ではないということ
③売掛金の発生は、会社の資金を減らす要因
となることを説明しました。
何故、③の売掛金の発生は会社の資金を減らす要因となるのか、
についてまずは見てみましょう。
(1)50万円の商品を掛で仕入れて、80万円を掛販売
(2)販売のために要した経費は20万円
この場合のバランスシートと資金損益計算書(資金繰り)と
損益計算書ですが、
バランスシート (万円)
******************
現預金 80 * 買掛金 50
売掛金 80 * 資本金 100
* 利 益 10
******************
160 * 160
資金損益計算書 (万円)
******************
売上収入 0
仕入支出 0
経費支出 ▲20
*****
資金減少高 ▲20
損益計算書 (万円)
******************
売上高 80
売上原価 ▲50
経費 ▲20
*****
利益 10
となります。
ここで、改めて上記3つの関係について見てみると、
バランスシートの現預金減少 = 資金損益計算書の資金減少高
バランスシートの利益 = 損益計算書の利益
と必ず一致するようになっています。
次に、資金が20減少した経緯について追ってみましょう。
資金100 → 資金50 → 資金100 → 資金180
↓ ↓ ↓
仕入50 買掛金50 売上80
→ 資金100 → 資金80(▲20)
↓ ↓
売掛金80 経費20
経費については、わかりやすくするために最後にまとめて
計上した形としていますが、資金の動きについて、何となく、
この流れを見て頂ければご理解頂けたのではないでしょうか。
ここで、注意すべき点ですが、
①売掛金の発生は資金の減少要因となる
②買掛金の発生は資金の増加要因となる
この2点を覚えておいて下さい。
売掛金の場合、いったん現金を回収したが、その現金を取引先へ
貸出したため現金が減少した。
買掛金の場合、いったん現金で購入したが、その現金を戻してもらい
借金したため現金が増加した。
と考えてみて下さい。
これが、資金繰りを考える際の原則となります。
何となくでもご理解頂けましたでしょうか?
次回は、「バランスシートを利用して資金繰りを見る」の説明を
行いたいと思います。お楽しみに!
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