『決算書理解講座32 資金運用表②』
今回のテーマは
『決算書理解講座32 資金運用表②』について
決算書理解講座31では「資金運用表とは・・」について
説明しました。
今回は、『資金運用表②』として「運転資金と固定資金」について
説明したいと思います。
これまで「資金繰り」の所で、資金の増減要因について
学びました。
資金の流れ、資金在高の増減ということを中心に考えてみると、
以下のような形となります。
(資金の運用) | (資金の調達) | |||
流動資産の増加 | 流動資産の減少 | |||
固定資産の増加 | 固定資産の減少 | |||
流動負債の減少 | 資 金 | 流動負債の増加 | ||
固定負債の減少 | 固定負債の増加 | |||
資本の減少 | 資本の増加 |
※資金の減少要因を「資金の運用」、資金の増加要因を
「資金の調達」と見ます。
売掛金の増加は資金の運用
売掛金の減少は資金の調達
と考えます。
そして、これらの資金を、運転資金と固定資金に分類します。
その分類基準は、バランスシートそのものとなり、
流動資産、流動負債の増減は運転資金
固定資産、固定負債、資本の増減は固定資金
と分類します。
例えば、在庫の増は運転資金の運用、買掛金の増は運転資金の
調達、土地の取得は固定資金の運用、長期借入金の増は固定
資金の調達、増資は固定資金の調達、というように考えます。
(例題)
現預金の増減 | ▲110万円 | 買掛金の増減 | +30万円 |
売掛金の増減 | +20万円 | 未払金の増減 | +10万円 |
商品の増減 | +20万円 | 借入金の増減 | +20万円 |
車両の増減 | +150万円 | 利益剰余金 | +20万円 |
計 | +80万円 | 計 | +80万円 |
となっているバランスシートがある場合、どのように見るかというと、
<運転資金>
売掛金 | 増 | 20 | 買掛金 | 増 | 30 |
商品 | 増 | 20 | 未払金 | 増 | 10 |
計 | 40 | 計 | 40 |
<固定資金>
車両 | 増 | 150 | 長期借入金 | 増 | 20 |
増 | 利益剰余金 | 増 | 20 | ||
計 | 150 | 計 | 40 |
と見ることができます。
この結果をまとめてみると、
・運転資金は不足、余剰ともに無し
・固定資金は110万円の減少
・現預金は110万円の減少
と表すのが資金運用表の考え方となります。
資金繰表と資金運用表は似ているようで実は違うんだ、
といった点もご理解頂けると嬉しいです。
次回は、「資金運用表の作り方」の説明を予定しています。
お楽しみに!
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