『大阪の成長戦略について考える』
先の大阪府知事・市長のダブル選挙で大阪維新の会から出馬した松井知事、吉村市長が当選した
ことを踏まえ、今回は大阪の成長戦略をどのように描いているのかなどを見てみたいと思います。
1.大阪維新の会:経済成長戦略のマニフェスト
(1)産業育成のための基盤整備
・府大と市大の統合
・府立産業技術総合研究所(産技研)と市立工業研究所(市工研)の統合・機能強化
・産業振興機構の府市統合・機能強化
(2)国家戦略特区の活用
・特区税制 ・国際経済総合特区の活用
(3)先端技術産業の拠点形成
・創薬の促進 ・医工・看工連携による先端医療機器・サービ スの開発
・新エネルギー(水素、蓄電池等)開発支援
(4)広域インフラの整備
・東京・名古屋・大阪リニア同時開業 ・北陸新幹線大阪開通、関空アクセス鉄道の整備
・大阪圏鉄道ネットワークの充実 ・国際物流のアジア拠点
・淀川左岸線延伸部等の道路整備 ・港湾の府市一体運営 ・府域一水道の実現
・ニュータウン再生
(5)中小零細企業の応援
・保証協会の強化 ・商工会議所・府の経営相談窓口強化 ・海外展開の支援
などが掲げられている。
2.これまでの動きなど
(1)大阪の中小製造業に対する支援
機械・加工、金属、電気・電子、情報システム分野を中心とした製造開発支援に強みを持つ
「産技研」と、化学、高分子材料、バイオ・食 品、ナノ材料分野を中心とした研究開発支援
に強みを持つ「市工研」を統合し、「スーパー公設試験研究機関」の設立を目指す。
異業種の融合や開発プロセスを一体的に支援を行える体制を整える。
(2)企業誘致
ライフサイエンス産業の振興を目指し、2008年「大阪バイオ戦略」を立案、関連企業の集積を目指してきた。
旧国鉄吹田操車場跡地を拠点に「北大阪健康医療都市(健都)」を建設中。
(3)再開発
JR大阪駅北側のうめきた2期地区再開発は、都市再生機構(UR)が対象土地の約14クタールを取得。
うめきた2期は、先行開発区域(1期)の目玉、大型複合施設「グランフロント大阪」の隣接地に
広がる空き地約16.2ヘクタール。うち4.5ヘクタールは都市公園として整備し、残りで中核
となる教育・研究機関などを設け、イノベーション(技術革新)創出の拠点を目指す。
平成38年度に本格的な街開きをする予定。
3.まとめ
関連法案の審議を優先したことから見送られたカジノ法案ですが、引き続き国の法整備を
睨みながら「国際エンターテイメント都市」の実現を目指すほか、インフラ面では、リニア中央
新幹線の大阪までの同時開業を目指すなど、ヒト・モノ・カネ・情報が集まる都市「大阪」に
なれるか・・・
新体制への期待は大きい。
また、関西国際空港を利用する訪日外国人も年々増えてり、認定民泊の活用など、新たなビジネス
チャンスを掴めるチャンスがある。
都構想をめぐりゴタゴタ感が拭えない大阪ですが、掲げられた成長戦略の実現には民からの
押し上げが重要になるのかもしれません。
大阪を盛り上げて行きましょう!
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