『成長戦略の実現へ向けたリスクマネーの供給』
政府は、成長戦略の実現へ向けて、リスクマネーを供給する官民ファンドの立ち上げを
後押ししています。
官民ファンドは地域活性化への貢献や新たな産業・市場の創出といった政策的意義のあるものに限定し、
民間主導の経済成長の実現を目的としている。
そこで、今回は地方創生や観光産業の活性化を目指し、新たに立ち上がった官民ファンドについて
見ておきたいと思います。
1. 地域活性化を目的とした「SI地域創生ファンド」
泉州池田銀行と地域経済活性化支援機構は、地方創生を支援するSI地域創生ファンドを設立。
大阪府などが推進する「国家戦略特区」や「総合特区」等でのライフサイエンス事業やスマート
エネルギー事業、優れた技術開発や多角化に繋がる成長事業、地域創生に繋がる事業などを行う
地元企業を支援する。
ファンド総額は10億円、1件当たり上限1億円を目途に投資し、存続期間は約7年間としている。
ファンドは、配当や出資先の経営者による株式買戻しなどで投資回収を行う。
2.瀬戸内地域の観光産業活性化を目指す観光ファンド
日本政策投資銀行(DBJ)と広島銀行、中国銀行、山口銀行、阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、
みなと銀行などの地方銀行7行は、瀬戸内地域の観光産業活性化に向けたファンドを2016年
4月に設立する。
このファンドでは、総額100億円規模を予定し、クルーズや宿泊、物販など瀬戸内地域の観光産業
活性化に資する活動を行う観光関連事業へ投資を行うとしている。
3.官民ファンドの活用状況
閣僚会議の資料によると、平成27年9月末時点における政府から官民ファンドへの投融資等は
約6,424億円、民間からの出資額は約543億円となっている模様。
また、平成27年度においては、3兆2,165億円の政府保証が付され、官民ファンドが
これまでに支援決定した出資案件は508件の約1兆4,399億円億円、実投融資額は
約1兆291億円となっている。
4.まとめ
官民ファンドには、産業革新機構、中小企業基盤整備機構、地域経済活性化支援機構、農林漁業成長
産業化支援機構、民間資金等活用事業推進機構、官民イノベーションプログラム(東京大学、東北大学、
京都大学、大阪大学)、海外需要開拓支援機構、耐震・環境不動産形成促進事業(環境不動産普及
促進機構)、競争力強化ファンド及び特定投資業務(日本政策投資銀行)、海外交通・都市開発事業
支援機構、国立研究開発法人科学技術振興機構、海外通信・放送・郵便事業支援機構、地域低炭素
投資促進事業(グリーンファイナンス推進機構)などがあります。
日本がこれから生き残っていくためには、これらの資金を使い、新たなエンジンとなる成長産業を
創出し、財政再建を行っていくことが重要になるものと思料します。
皆さんの既存事業や新規事業にあてはまりそうな事業は無いか、また、このブログでも紹介した
これらの子ファンドの活用など、改めて検討されるのも良いかもしれません!
この記事へのコメントはありません。