『融資の知識を身につけよう
~固定性を見る~』
企業が保有する資産の中には、それを使用して営業活動を営み、収益を生み出していくために長期間に
亘って保有することから処分して資金化できない資産があります。
例えば、メーカーであれば、工場、機械、土地といった資産がこれにあたり、この資産のことを固定
資産と呼びます。
固定資産と資金
資金の面から見ると、固定資産を得るために要した資金は収益という形で還元はあっても、固定資産
自体を処分して資金回収を行うということがないため、長期化してしまいます。
よって、固定資産の取得に要した資金は長期間返済する必要のない、或いは、長期に亘って返済できる
長期資金で賄われていることが安定性、健全性という面で重要となります。
固定比率
長期資金としては、企業自身の資金である自己資本がありますが、固定資産が自己資本で賄われて
いるかどうかを見る比率として「固定比率」があります。
固定比率=固定資産÷純資産(自己資本)×100(%)
固定比率が100%以下であると、自己資本の範囲内で固定資産への投資が行われていることになり
健全であるということができます。
但し、固定比率も固定資産を持って事業を営む装置産業と固定資産を持たずに事業を営む産業とでは、
数字が大きく変わることを頭に入れておく必要があります。
例えば、中小企業の製造業では、固定比率が150%前後が多いと言われていますが、小売業となると
100%前後が多いと言われています。
固定長期適合率
長期資本の調達としては、自己資本に次ぐものとして固定負債があります。
自己資本と固定負債の合計額が固定資産を上回っているならば、長期資金の調達という面では
まずますだと見ることができます。
逆に、下回っている場合は、その超過分は1年以内に返済しなければならない流動負債で賄われている
ことを意味し、財政は不健全な状態で短期の支払い能力(流動性)も脆弱であると見ることができます。
固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+純資産(自己資本))×100(%)
まとめ
固定比率や固定長期適合率は、企業の安全性や健全性を見る指標の1つとなります。
長期資金で賄うべき資産を短期資金で賄っていると、資金繰りが忙しくなり不安定な状態に陥る可能性が
高くなります。
自社の決算書見て、大丈夫かな?? と心配になられた方もおられるかもしれませんが、対処方法は色々
ありますので気軽にご相談下さい。何よりも、早く手を打つことが大切です。
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