『融資の知識を身につけよう
~設備投資の業績計画~』
設備投資の返済源資は留保利益と減価償却費の2つが基本となりますが、これが計画通りに達成されるかが返済計画の妥当性を検討する上でのポイントとなります。
業績計画は売上予想高から原価見積り、費用算定などの積み上げにより策定していきますが、今回は各項目ごとのポイントについて書いてみたいと思います。
売上高予想の妥当性
売上計画は、その扱い商品の需要動向や代替品との競合関係、同業他社の動向などの点に基づき検討していきます。
扱い品の販売価格(単価)は妥当か。販売数量予想は妥当か、などがポイントとなりますが、販売能力は大きく分けて、生産能力、販売能力、市場の受容性という3つの要因により決定されます。
売上原価予想の妥当性
原材料費、労務費、減価償却費、その他製造経費について見積りが妥当かを検討します。
一般管理販売費予想の妥当性
一般管理販売費は一般管理費と販売費に分けられます。
一般管理費は企業の活動全体を管理、維持していくにあたって必要とされる諸経費をいい、販売費は販売活動を推進するにあたって必要とされる諸経費をいいます。
主なものとしては、役員報酬、従業員給与、福利厚生費、管理施設などの減価償却費・修繕費、営業所などの賃借料、広告宣伝費、荷造運賃、交際費、事務用消耗品費、などがあります。
業種、業態によってそれぞれの比重は異なりますが、収益計画をチェックする上で特に注意しておきたいものは、一般的には販売費、人件費、交際費、広告宣伝費などであり、これらの算定根拠や見通しを説明できるようにしておくことが重要となります。
営業外損益予想の妥当性
営業外収益としては、受取利息、受取配当金、有価証券売却益などがあり、営業外費用としては支払利息、割引料、有価証券売却損などがあります。
これらの中で一般的に金額が大きい支払利息の見積りが、借入額と金利水準を勘案して算定されているかを確認しておきましょう。
まとめ
冒頭にも述べましたが、利益の内部留保(留保利益)と減価償却費で借入金の返済が余裕を持ってできるかが重要となります。
借入返済が難しいと判断されると、返済期間の見直し、資金調達計画の見直し、設備投資計画そのものの見直し(規模縮小、場合によっては中止)、などを検討する必要が出てきます。
業績計画のポイントを押さえた計画資料をつくり、金融機関のみならず、自社においてもこの投資が妥当かどうかを判断するものとしてご活用頂ければと思います。
弊社でも業績計画作成のサポートをしておりますので、気軽にご相談下さい!
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