『ASEANでの中小企業向け融資』
成長著しいASEAN(アジア諸国連合)において、中小企業の振興は共通の課題となっています。
信用保証制度の導入など中小・零細企業への資金供給を図る動きもあるが、利用は限定的となっているようです。
そこで、今回はASEANでの中小企業向け融資の状況について見てみたいと思います。
ASEAN各国の融資状況
2014年時点の中小企業向け融資状況ですが、大手コンサルティング会社の調査によると、
<タイ> 融資額:1,710億ドル 融資額のGDP比率:105%
<マレーシア> 融資額: 610億ドル 融資額のGDP比率: 55%
<シンガポール> 融資額: 570億ドル 融資額のGDP比率: 36%
<インドネシア> 融資額: 510億ドル 融資額のGDP比率: 9%
<フィリピン> 融資額: 90億ドル 融資額のGDP比率: 9%
となっています。
インドネシアでの取組み
中小企業の事業体数が一番多いインドネシアでは、融資額に占める中小企業向け融資の割合は2015年12月末時点で約2割まで増えているが、GDP比率で見るとまだまだ低水準であり拡大の余地は大きい。
そこで、現地の金融機関は中小・零細向け融資を伸ばそうとする動きが広がりを見せている。
資産額で国内第2位のバンク・ラクヤット・インドネシア(BRI)は、BRIの口座保有者が「代理人」となり、近所の知人などの融資申請手続きを代行でできる仕組みを導入し、小口融資を伸ばしている。
また、年金貯蓄銀行(BTPN)では、大学と開発した会計など経営に関するカリキュラムを無料受講してもらい、中小・零細事業者と繋がることで融資を伸ばそうとする動きなどがある。
まとめ
インドネシアでは、家族や知人からお金を借りるという習慣が根付いており、銀行から融資を受けるといった風潮が広がれば、ビジネスチャンスも大きくなるものと思料します。
日本政府もASEANでの中小企業金融の普及を支援する方針を打ち出すなど、今後も注目も分野となりそうです。
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