『公共インフラの官民連携拡大~下水道~』
国や地方自治体が施設を保有したまま運営権を民間に売却する「コンセッション」と呼ばれる仕組みを使った動きが広がりを見せています。
PPPとは
公共サービスの提供に於いて何らかの形で民間が参画する手法を幅広くとらえた概念。
PFIのほかに、部分民営化やアウトソーシング、行政財産の商業利用などの手法が含まれる。
PFIの考え方
PFIは「Private Finance Initiative」の略称で、公共施設等の建設、維持管理、運営などを民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法。
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法:平成11年法制定)に基づき実施。
期待される効果として、
・低廉かつ良質な公共サービスが提供されること。
・公共サービスの提供における行政の関わり方の改革。
・民間の事業機会を創出することを通じ、経済の活性化に資すること。
などが挙げられる。
従来方式とのPFI方式の違いを簡単にまとめると、契約期間は従来方式が単年度であることに対し、PFI方式では長期、複数年に及ぶこと。
また、資金調達では従来方式は公共部門(一般財源、起債など)で行うが、PFI方式では民間部門で行うなどがある。
PFIの特徴として、個別でも実施できるが、まとめて実施できるという点が挙げられる。
PFIの事業スキーム
PFIでは公募提案する共同事業体(コンソーシアム)が新会社(SPC:特定目的会社)を設立。
SPCでは、建設会社や維持管理会社などが構成企業として入り、SPCとの間で委託契約や請負契約を締結。
資金調達では、金融機関とSPCとの間で融資契約を締結するが、金融機関は公共施設等の管理者との間で「直接協定」を締結。
※直接協定
共同事業体(SPC)による事業実施が困難となった場合に、管理者等によるPFI事業契約の解除行使を金融機関が一定期間留保することを求め、資金供給している金融機関が共同事業体へ一定の介入を可能とするための協定。
このような事業スキームを組むことが多い。
下水道部門の動き
下水道部門で全国第1号を目指す浜松市では、2016年の夏にも事業者の公募を開始する予定で、静岡県から移管を受けた西遠流域下水道事業でのコンセッションを想定。
事業期間は2018年4月から20年間を予定。
最新の処理工程を導入して使用電力を減らしたり、敷地内の未利用地を収益性のある施設に転換すれば収益改善が期待できる。
国交省も下水を利用したエネルギー施設や都市公園の整備にあたり、PPPやPFIの検討を促すとしている。
まとめ
平成25年度には、官民連携インフラファンド(㈱民間資金等活用事業推進機構)が設立するなど、公共インフラを民間が運営し、財政負担を減らそうとする動きを後押しする支援策も広がりを見せています。
下水道部門では、水素の製造や水素発電など国が注力している低炭素化社会の実現へ繋げる動きにも注目が集まっています。
民間の知恵を活かす絶好のチャンスかもしれませんね!
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