『外国為替の知識を身につけよう
~外国送金取引~』
外国送金の原因となる取引には、商品の売買(輸出入取引)、サービスの提供、金銭の貸借などの
資本取引、寄付・贈与等様々なものがあります。
これらの支払を必要とする者が、支払資金を仲介者である銀行の窓口に払込み、その銀行の外国に
ある支店やコルレス銀行経由で金銭を相手方に支払うことを委託する取引が外国送金取引となります。
送金為替の種類
■送金小切手(Demand Draft, D.D.)
送金小切手は、送金人から依頼を受けた銀行が、コルレス銀行を支払人とする小切手を振り出して
送金人に交付しこれを受取人へ郵送。
受取人はその小切手を支払銀行へ呈示して支払いを受けるという送金方法。
■普通送金(Mail Transfer, M.T.)
普通送金は送金依頼をを受けた銀行が、受取人への支払を提示する支払指図書(Payment Order)を、
支払銀行宛に主として航空便により郵送する送金方法。
送金小切手の場合は、郵送途中で小切手そのものが紛失する危険があるが、普通送金による方法は、
支払指図書が悪用される危険がないため送金小切手より安全で確実である点が特徴。
■電信送金(Telegrafic Transfer, T.T.)
送金の依頼を受けた銀行が受取人への支払指図を支払銀行宛に電信により行う送金方法。
電信送金は、支払を急ぐ場合や多額の支払を行う場合に利用されることが多い。
※SWIFT加盟銀行間では、T.T.の場合は当然ながら、M.T.であってもSWIFTを利用する場合が多い。
SWIFTとは、国際銀行間データ通信システムの略称
(The Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)
受取人への支払方法による分類
■口座振込(Advise and Credit)
支払銀行が受取人へ通知すると共に、受取人の口座に入金する方法。
この方式が一番安全で確実と言われている。
■通知払(Advise and Pay)
支払銀行が受取人への送金の到着を通知して支払う方法。
この方式は、受取人の取引銀行が不明な場合や取引銀行が判明していても支店名や口座番号が不明な
場合などの際に利用される。
■要求払(Pay on Application)
受取人から支払銀行へ、支払請求して送金の支払いを受ける方法。
この方式は、受取人が旅行者等で住所が一定していない場合などの際に利用されることがある。
資金の決済方法
資金の決済方法は、送金銀行の決済勘定がどこにあるかにより3種類に分けられます。
決済勘定とは、デポジトリー・バンクに設けた預け金のことをいいます。
①仕向銀行(送金銀行)に被仕向銀行(受取銀行)の<送金通貨建の勘定>がある場合。
②被仕向銀行に仕向銀行の<送金通貨建の勘定>がある場合。
③仕向銀行・被仕向銀行に双方の決済勘定がなく、資金決済銀行(双方の銀行が預金勘定を
開設している銀行)を利用する場合。
まとめ
ここでは、国内から外国へ送金する内容について記載しましたが、外国からお金が送られてくる
被仕向送金も仕向送金の裏返しだと考えて下さい。
また、外為法上の許可を必要とするものなのかどうなのかといった点に注意する必要があることも
頭に入れて頂けると良いかと思います。
この記事へのコメントはありません。