『外国為替の知識を身につけよう
~船積書類:保険証券~』
海上保険は運送中の貨物について被るかもしれない不慮の損害を補填するもので、積荷の損害に対し付保されているので銀行などの金融機関も安心して貿易取引をすることができます。
保険証券は貨物が船積みされる以前の日付で保険契約の成立を証明するものでなければならず、被保険者の請求により交付され、原則として譲渡が可能。譲渡は通常、裏書によってなされます。
海上保険は、原則としてC.I.F価格の110%、信用状と同一の通貨で付保されなければなりません。
形式
①保険の目的
②保険者(保険会社)の負担した危険
③保険価格を定めた時はその価額
④保険金額
⑤保険料及びその支払方法
⑥保険期間を定めた時はその始期及び終期
⑦保険契約者の氏名または商号
⑧保険契約の年月日
⑨保険証券の作成地及び作成に年月日
⑩船舶の名称、国籍並びに種類
⑪船積港及び陸揚港
損害の分類
■全損(Total Loss)
貨物の全部が滅失するか、事実上滅失に近い損害を受けた場合。
■分損(Partial Loss)
貨物の一部が滅失した場合であって、損害の負担者によって2種類に分かれる。
(1)共同海損:船が沈没の危機に直面し、船脚を軽くするために積荷の一部を投棄した場合、投棄された荷主のみに負担させないで、利害関係人(船主・他の荷主)も共同して損害を負担する海損。
(2)単独海損:荷主が単独に負担する海損のうち、全損でないものをいい、更に2種類にわかれる。
①特定単独海損・・・単独海損で沈没、座礁、火災、衝突による損害
②その他の単独海損・・・特定単独海損以外のもの
損害補填の範囲
■分損担保(WA or WPA , With Particular Average)
全損、共同海損、単独海損すべてをカバー。
■分損不担保(FPA , Free from Particular Average)
全損、共同海損、特定単独海損をカバー。(その他の単独海損はカバーしない)
■全損担保(TLO , Total Loss Only)
全損しか補填しない。信用状取引では珍しく例外的なもの。
■ALL Risk
貨物固有の瑕疵、または性質によるものを除き、すべての外部的要因による滅失または損害を担保。
但し、戦争及びストライキ危険は除く。
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