『2017年度以降の固定価格買取制度
~再生可能エネルギー~』
今年も早いもので、来月から2017年度がスタートします。
新規事業として再生可能エネルギーによる売電事業を開始した企業も多くなりました。
そこで、今回は2017年度以降、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)がどのように推移していくのかについて見てみたいと思います。
太陽光発電
調達価格等算定委員会では、固定価格買取制度(FIT制度)における2017年度以降の再生可能エネルギー買取価格についての委員長案が取りまとめられています。
それによると、10kW未満の太陽光発電については、2019年度に家庭用電気料金水準とすることを目標にシステム価格を定め、2017年度、2018年度、2019年度と段階的に引き下げていく買取価格を提示。
例えば、東京、関西、中部電力エリアを対象とする「出力制御対応機器設置義務なし」では、2017年度は28円/kWh、2018年度は26円/kWh、2019年度に24円/kWhとしている。
また、10kW以上2,000kW未満の2017年度買取価格は21円/kWh(2016年度24円/kWh)に引き下げ、2MW以上の太陽光発電については入札制度を導入する。
2017年度および2018年度は試行的期間として位置付け、2017年度に第1回、2018度に第2・3回(2年間で合計3回)を実施。
入札では、最も安価な札を入れた先から順次、入札全体の募集容量に達するまでのを落札者とすし、上限価格は、第1回については、事業者の予見可能性に配慮し入札対象外の10kW以上の太陽光発電と同額としている。
風力発電
風力発電(20kW以上)については、2017年10月より買取価格を21円/kWhに引き下げ、以降、2018年度は20円/kWh、2019年度は19円/kWhと引き下げとしているが、20kW未満は55円/kWhで2019年度まで据置きとしている。
水力発電
水力発電(1,000kW以上30,000kW未満)については、2017年度10月以降、5,000kWで別区分化し、2017~2019年度の買取価格は、「1,000kW以上5,000kW未満」27円/kWh、「5,000kW以上30,000kW未満」20円/kWhとしている。
水力(1,000kW以上30,000kW未満)の既設導水路活用型についても、2017年度以降1,000kW以上30,000kW未満の区分を5,000kWで別区分化し、「1,000kW以上5,000kW未満」は引き上げ、「5,000kW以上30,000kW未満」は引き下げとしている。
バイオマス発電
バイオマスでは、「一般木材等(20,000kW以上)」の区分を設け、2017年10月以降、買取価格を21円/kWhに引き下げとしている。
まとめ
地熱、水力、バイオマスについては、リプレースや新区分を設けた以外、また、洋上風力については、2016年度の買取価格を2017年度から2019年度まで据置くとしている。
また、20kW未満の風力も2016年度の買取価格(55円/kWh)を2019年度まで据置くとしており、小口風力発電事業は新規事業として面白いかもしれない。
経済産業省では、委員会の検討結果を踏まえて、来年度以降の買取価格を決定しているが、例年、委員長案がそのまま採用されている点は頭に入れておきたい所です。
この記事へのコメントはありません。