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『決算書理解講座81 財務分析手法
~運転資金とその種類~』

決算書理解講座80では「財務分析手法~成長性をみる~」について説明しました。
今回は、「財務分析手法~運転資金とその種類~」について説明したいと思います。

経常運転資金は、企業が一定のテンポで常に同じ企業活動を展開していることが前提となりますが、実際にはこのようになることは稀であり、売上が増加したり回収が長引いたり、生産工程が長くなったりします。

そうした場合には、経常運転資金以外にも資金需要が発生します。

例えば、売上の増減や取引条件の変化によっても発生する運転資金があり、このような運転資金を増加運転資金と呼びます。

それでは、運転資金の主な種類について説明してみたいと思います。

経常的な運転資金

・経常運転資金又は必要運転資金
企業の営業活動を継続するために必要な仕入、在庫、売上債権を維持するために
生じる資金需要。

・増加運転資金
生産・販売の拡大、取引条件の変化に伴う資金需要。

 

一時的な運転資金

・季節資金
仕入や販売の時期に片寄りのある商品を扱う企業にみられる季節的な在庫備蓄に伴う資金需要。

・決算・賞与資金
決算支出(税金、配当、役員賞与など)と従業員賞与のための資金需要。

・減産資金
減産時、一時的に回収が支払より減少することにより発生する資金需要。
収益の向上により返済することができないと赤字資金になります。

・つなぎ資金
入金や調達のタイムラグによって発生する資金需要。

長期化する運転資金

・滞貨資金
市況の変化などでデッドストック(滞貨)を抱えた場合、これを維持し
適正在庫まで戻すための資金需要。
在庫の正常化、収益の向上により返済していくのですが、できない場合、赤字資金となります。

・赤字資金
企業業績が悪化し、損失が生じた場合にその損失を補填するための資金需要。

ご理解頂けましたでしょうか?

次回は、「財務分析手法~各運転資金の所要額検討~」について説明したいと思います。
お楽しみに!

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